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鉄道小説大賞×そうてつStyle鉄道小説大賞×そうてつStyle

小説を読んだ後、気になった場所や風景を「そうてつStyle」に戻って探しに行ってみよう!
実際に小説の舞台を歩いてみると、新しい発見があるかもしれません。

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「鉄道小説大賞®」の受賞作品決定


相鉄グループ100周年を記念して、相鉄線沿線の魅力をより多くの方々に知っていただくために初めて開催した「鉄道小説大賞®」の受賞作品が決定しました。ゲスト審査員の小松成美氏(総合監修)、水野学氏(ヴィジュアルアドバイザー・審査協力)をはじめとした最終審査員により厳正な審査を行った結果、大賞1作品、優秀賞2作品、相鉄賞2作品、本屋特別賞1作品を国内はもとより海外からも応募があった全475作品の中から決定いたしました。

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受賞作品

大賞




選評 小松成美(総合監修)


 昭和の風景が鮮やかに見えてくる情景描写に、切なさと懐かしさを募らせた作品です。どんな家族にもある軋轢、そして出会いと別れ。
 それを題材に、現在と過去がモザイクのように綴られる文章には、まだ貧しさが隣り合わせだった時代と、互いに手を取り合って懸命に生きる人々の肖像が鮮やかに浮かび上がります。
 母を失った三人の娘たちの思いと、妻と死別した寡黙な父親の姿は、まるで自分と自分の親のようであり、一気に物語に引き込まれてしまいました。
 夫を事故で失い心に暗い影が差す主人公の悲しみは、成人し旅立つ娘への思いを増幅させ、同時に過去の自分を露わにしていきます。
 人は「自分は愛されている、必要とされている」と知っていながら、それでも寂しく失った者をいつまでも欲してしまう。その様が、いくつも登場する相鉄線の駅と車窓と帷子川の風景と重なり物語の奥行きを作ります。人は一人では生きられない、というメッセージを静かな筆致で丁寧に伝えていくのです。
 小説としての醍醐味は終盤に描かれる「秘密の開示」です。時代を遡り、目の前に映る川面の様子と家族の会話は、平凡で、けれどスリリングで、高揚感さえ抱きました。
 第一回大賞作品は、満場一致で選出されました。

優秀賞




選評 小松成美(総合監修)


 サークルで飲んで帰った女子大生と、旧友と会っていた祖父。上星川の駅で偶然に会ったこと始まる80歳の祖父と20歳の孫娘との夜の散歩。
 日常のワンシーンが描かれた文章は、まるでロードムービーを観ているような楽しさがあります。最終バスを逃した2人の“小さな旅”はどこに向かうのか、寒々しい夜の道と吹きぬける風を想像しながら、途中で起こるさまざまな出来事に思いを馳せ、読み進んでいきました。
 十三夜の月、昔食べた団子、普段なら徒歩では昇らない急な坂道、どこからか漂う金木犀の香り、工事がすすむ羽沢の新しい駅。
 目に留まる光景は、健脚な祖父とサークルを楽しむ女子大生にいくつもの記憶を呼び起こし、特別な時間を演出していきます。
 リケジョの孫娘が、祖父と自分の歳を足した100歳を、何日、何時間、何分を割り出していく描写は、いとも簡単に「100年」という時代を紡ぎ出し、感嘆しました。
 スマホを片手に100年を導き出し100年=52,596,000分と祖父に伝える女子大生の姿は新鮮で、膨大な数字の羅列と人生の時間の交錯に静かな感動を覚えます。
 家族の待つ家に戻り、またいつもの朝を迎えるはずの孫娘と祖父。一夜の出来事の背景には、三世代が暮らす一家の朗らかな日常が浮かび上がり、読む者の胸にあたたかさをもたらしました。

 1917年12月に創立した相鉄線は、2017年12月に100周年を迎えました。「52,596,000分の朝と夜」の筆者が、大正6年から平成29年の相鉄100周年を思ってこの物語を紡いだのか否か、審査の最中に話題になりました。




選評 小松成美(総合監修)


 飲み会の果ての電車の乗り過ごしとシティー温泉での夜明かし、スマホ電池切れからの会社無断欠勤。破天荒でドジな女子新入社員の非日常には、とてつもない勢いがあり、予測不能で、なにが起こるのだろうという好奇心が一気に沸き起こりました。
 埼玉から憧れの横浜に移り住んだ働く女子は、横浜という街のイメージと自分が借りたマンションとのギャップに舌打ちしますが、真夏のイングリッシュガーデンに誘われ、なけなしの500円で入場したことで“唯一無二の出会い”を経験します。
 この場面転換の鮮やかさが、本作の真骨頂でしょう。花もついていない薔薇の枝葉に顔を寄せる女子と白髪の老婦人とのカフェタイムは、彼女を開放し、仕事をサボった微かな罪悪感も四散させます。
 テンポ良く綴られる昨夜の失敗談や老婦人の孫の話や老舗の商店街や昔の田園風景は、読み手が持つ“横浜”への愛着と相まって誇らしい気持ちが喚起されていきます。老婦人から手土産にと手渡される小さな薔薇の鉢植え。紅い薔薇の花を思い、晴れやかな気持ちになりました。
 もう二度と働く女子と老婦人が出会わない潔さも物語を際立たせています。
 働く女子が結婚と出産を経て家族で移り住む街が、老婦人と出会ってから度々訪ねたイングリッシュガーデンのすぐ側であること、その”予測可能”なハッピーエンディングに爽快感があります。
 帷子川の川面の光りと相鉄線の通り過ぎる音が、彼女の幸せの背景になっていて、胸に迫りました。

相鉄賞






本屋特別賞



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